ガゴメコンブの生産者を訪ねて

生産者のこだわり -Report of Seaweed producer-

限られた出漁のチャンス、 「力」と「技」の競演


「解禁当初は誰でも量をとれる。出漁をこなして昆布の量が減ってくると、経験と技術がものを言うね」
ガゴメ昆布と真昆布の漁は、7月下旬の解禁日から約3ヶ月間で15〜20回程度という、ごく限られたチャンスしかありません。
採取できる資源量が限られ、その日の内に天日干しが必要なために午後も晴天であること、しかも波、潮、風の条件が揃った日だけに出漁が可能なのです。

「マッカ(写真参照)だと根ごととれるから、そこに胞子がついて次の昆布が生えやすくなる」
鎌で昆布の根元近くを切りとる人もいますが、増輪さんはマッカ派。  
よく“しなる”特殊樹脂製のマッカで、水深7〜8mの岩礁に根をはるガゴメ昆布をねじって、はぎとります。

「沢山とれる時は、マッカをねじると“メキメキメキ”って重たい手応えがある」
マッカによる昆布との力比べの最中も、海面だけ見ているわけにはいかないそうです。

「漁の最中は、常に周りの舟のマッカを気にしてる。あたっても文句は言えないし、それは他の漁師も一緒のこと」
揺れる舟から身を乗り出し、水中眼鏡の柄を口でくわえて海底に狙いを定め、全力でマッカをねじりながら、頭上にも目を配る。まさに職人技の領域です。
何十艘もの舟から全長5mのマッカが天に伸び、「力」と「技」が繰り広げられる昆布漁には、静かな中にも独特の『迫力』があります。